正義への報酬(RFJ)プログラムでは、テロ組織アル・シャバブの金融メカニズム阻止につながる情報に対し、最高1000万ドルの報酬を提供している。アル・シャバブの金融活動と支援ネットワークが同組織の活動を支え、テロ攻撃の資金を提供し続けることにより、ソマリアと周辺国で罪なき民間人と治安隊員の命が何千と奪われている。
アル・シャバブは、賄賂(わいろ)、恐喝(きょうかつ)、ハワラ(hawala)と呼ばれる送金システム、身代金目的の誘拐、マネーロンダリング、運び屋といった従来のテロ資金調達法のほか、独自の財源も生み出し、以前にも増して外部からの支援を必要としなくなっている。最新の財源としては、高齢者・実業者・農民の恐喝、中古車取引の搾取・悪用、モバイル送金、牧畜農家からの家畜窃盗などがある。拡大したテリトリーで、違法採掘のほか、木炭、ヘロイン(犯罪組織に再販)、象牙、家畜、砂糖といった物品の取引・密輸などの不法行為も行っている。また、一般人、会社、海賊などに課税し、通行料、手数料、農作物・土地への税金を徴収している。
国務省では、以下の特定と阻止につながる情報に対し、報酬を提供している。
– アル・シャバブの主要財源(恐喝・課税、密輸、武器・薬物の取引など)
– アル・シャバブによる地域天然資源の搾取(森林伐採、採掘、密輸など)
– 寄付者および金融支援者によるアル・シャバブへの資金援助
– 金融機関による主要取引、ならびにアル・シャバブに代わって送金し国際金融システムにアクセスするための送金業者利用
– アル・シャバブとその財政支援者が所有または管理する事業および投資
– アル・シャバブに代わって金融取引(中古車取引など)を行う、アル・シャバブにひもづいた偽装会社の国際活動
– アル・シャバブに財政貢献するアル・シャバブ・メンバーと支援者が関わっている犯罪メカニズム(身代金目的の誘拐、牧畜農家からの家畜窃盗など)
– アル・シャバブの違法な金融メカニズム(マネーロンダリングなど)、ならびにアル・シャバブが、テロリスト、武装代理組織、提携組織へ資金・物資を送る方法
2008年3月18日、米国国務省は、米国改正移民国籍法第219条に基づき、アル・シャバブを外国テロ組織に指定した。その後の2008年3月19日、国務省は、改正大統領令第13224号に基づき、アル・シャバブを特別指定国際テロリストとして指定した。これにより、米国管轄下にあるアル・シャバブの全資産とその権益が凍結され、米国人(米国市民、米国居住者、米国法人等)はアル・シャバブといかなる取引を行うことも全般的に禁じられている。物質的援助またはリソースを意図的にアル・シャバブに提供し、あるいはその提供を試み、または企てることは犯罪である。